くもには、あみにXやIのかたちとか、うずまきのかたちの
「かくれおび」というとくべつの白い糸のおびをつけるのがいるよ。
なんのためかな。
コガネグモのXのかたちの「かくれおび」に、
くもが足を2本そろえるとくものすがたが見つけにくい。
なまえのとおり、見つからないようにするためかな。
あみのまん中にとまっているくもが、太陽のねつであつくならないように
ちょうど海水浴(かいすいよく)のときの「パラソル」みたいなものなんだ
っていう見かたもあるし。
紫外線(しがいせん)をはねかえして、えものの虫をおびきよせているとか、
鳥がくものあみをこわさないように、飛んでいる鳥によけてもらうための
目じるしだという人もいるよ。
あみを強くしたり、あみのかたちをととのえて、
くもがえものをすばやくつかまえやすくするため、という考えかたもあるぞ。
カタハリウズグモでかんさつされたもっとも新しい日本のけんきゅうでは、
カタハリウズグモの「かくれおび」は、おなかがすいてるときはうずまきのかたちで、
おなかがいっぱいのときは、Iのかたちなんだって。
うずまきのかたちの「かくれおび」をつけたあみは、
あみにかかったどんな小さな虫のうごきもみのがさないようになっているらしい。
そして、Iのかたちの「かくれおび」は、大きな虫をつかまえるのにつごうがよいらしい。
「かくれおび」のやくわりは、まだまだよくわかっていないんだよ。
くものせかいは、ふしぎがいっぱいだね。
上の図は、Xのかたちの「かくれおび」をつけたナガマルコガネグモだ。
図は、マイケル・チナリー「クモの不思議な生活」晶文社より