(2)ジグモはキリギリスを食べるだろうか?

方法・・・ 実際にメスのジグモを飼っているペットボトルに
入れて食べるかどうかを見る。
予想・・・ 食べる。動きまわるから巣にすぐに触れてしま
い、食べられてしまうと思ったから。

 では、実験開始!
 キリギリスは数日間、元気よくはねまわていた。
 しかし、ジグモに近づいても、巣に思いっきり触れても、ジグモもキリギリスもおかまいなしだった。何日たっても、キリギリスは食べられなかった。
 この実験から、動きすぎるものはジグモは食べないことが分かった。巣に獲物が触れても、ジグモが食べにくるまでにエサが逃げてしまうからだ。
 そこが、このねばりのない巣の欠点かもしれない、と思った。

(3)ジグモはどんな所に巣をつくるのだろう?

方法・・・ 家の庭で、どういうところに巣があるか調べ、
そこから考える。
予想・・・ 日かげで虫が集まりそうなところ。

 では、実験開始!
 数分後、庭でのジグモの分布図ができた。

庭のジグモ分布図

 ちょっと見にくいかもしれないけど、がジグモの巣があったところ。ウッドデッキや木の下など日かげで土がやわらかい(湿っている)ところに多く住むことが分かった。それと、結構まとまって住んでる団体さんも多い。

考察・・・これらの理由を自分なりに考えてみた。

日かげであると… 暑いので、虫達が涼みに集まるし、
巣がばれにくいから。
やわらかい土であること… 巣をつくるとき、穴をほるのが楽だから。
まとまって住んでいると… 交尾するとき楽だし親せき同志だから?
ただ単に穴場(人気)であるから。
集まるのはジグモの習性である?から。

 しかし、本当のことはジグモに聞いてみないと分からない。

6 分かったことのまとめ

 ◎クモに関すること
 ・像を結ぶほど目はよくない。
 ・足も目も8つ。
 ・足の瞬発力は強いが持久力は弱い。
 ・前体部には運動機能が、後体部には生きるために必要な生理機能が集中している。
 ・網に足をひっかけて歩くので、自分の網にからまない。
 ・カブトガニと共通の祖先をもつ。
 ・古い糸を食べ、また糸いぼから出して使う。(糸をリサイクルする)
 ・宇宙ではまん丸の巣を作る。
 ・クモは、水中→地中→空中に巣を張れるように進化してきた。
 ・糸のもとは液体で、より合わせて作られているが、人のかみの毛よりもずっと細い。

 ◎ジグモに関すること
 生態
 ・メスは17〜20mm、オスは12〜16mm。(体長)
 ・メスは1年中見られるが、オスは6〜8月にしか見られない。
 ・幼体は茶色(赤褐色)で成体は黒色。
 ・寿命は2〜3年(メスは成体になっても脱皮し、また数年生きる)
 ・書肺(呼吸器官)は2対。(ほとんどのクモは1対)
 ・キバ(アゴ)は折りたたみ可。
 巣
 ・ペットボトルなどで飼うとき、まわりの糸を張るのは、巣をつくるのにいい場所を探しているからだ。
 ・巣のかたさは土のかたさ。
 ・巣の大きさは中にいるジグモの大きさ。
 ・地中部にお気に入りの部屋がある。
 ・糸にねばり気がない。
 ・中国・峨眉山では漢方薬として売られている。
 呼び名
 ・カンペ
 ・コンベートー
 ・サムライグモ(頭胸部を腹部へ曲げると、自分の腹を切りさいてしまうから。)
 ・フクログモ(たぶん巣の形から)…など。
 全国各地に生息するため、いろんな呼び名が生まれたのだろう。
 遊び
 人間にとって身近な存在なのでジグモを使った遊びがある。
 ・ジグモつり(巣を切れないように引きあげ、だれがつったものが1番長いか、で競う。)
 ・ジグモつり2(巣をつついて、エサかと思って出てきたジグモをつかまえる)
 ・決闘(マッチ箱などの中で戦わせる。)
 仲間(体形が似てるクモ)
 ・ワスレナグモ
 ・キシノウエトタテグモ…など

7 感想など

 昨年もジグモについて調べたが、今年は今年で新しい発見があってよかった。観察は2ヶ月もできたし、実験は少ししかできなかったけど運よくジグモのオスにも会えたし、結構充実してたと思う。しかし、エサを工夫できなかったのが残念で、分からないことがまたいろいろ出てきてしまった。
 前回、「巣にはエサを引きつける力があるようだった」と思ったけど、今回はあまり近よらなかったのでそうでもないと思った。
 今回の研究では生物は人間の期待通りには動かないということが体感でき、おもしろかった。また、このような「型破り」のまさに「想定外」な行動をするジグモ達に出会えてよかった。生活に役立つ研究ではなかったけど、個人的にとても楽しかった。また機会があれば、次のことを調べたい。
 <分からなかったこと(怪奇現象)>
 ・ジグモが巣をつくりやすいように、と開けた穴にムカデのようなものが集まっていたのはなぜか。
 ・白い小さな虫がジグモの巣にたかってたのはなぜか。
 ・メスとオスの寿命や見られる期間のちがいは何なのか。
 ・ジグモはなぜ、巣をつくりやすい穴の所に巣をつくらないのか。
 ・巣をつくりかえたのはなぜか。
 ・自分の腹を切りさいてしまうのはなぜか。
 …など

8 参考文献

・クモ学 摩訶不思議な八本足の世界 小野展嗣 東海大学出版会
・フィールド図鑑 クモ 新海栄一・高野伸二 東海大学出版会
・野外ハンドブック 校庭のクモ・ダニ・アブラムシ 浅間茂・
 石井規雄・松本嘉幸 全国農村教育協会
・8本あしのゆかいな仲間 クモ 谷本雄治・文 つかだつみ・絵
 くもん出版
・観察の本4 クモの親と子 千国安之輔 偕成社
・観察の本7 クモたちの狩り(下)千国安之輔 偕成社
・ウィキペディア フリー百科事典 ジグモ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%B0%E3%83%A2
・くものあみ せきねみきお
http://www.natureoz.net/web_j.htm

  

もどる キッズ・プレゼンテーションもくじへ