里山の秋:ムクロジの実
黄葉したムクロジの喬木の下、この実を拾って果皮を剥くと、真っ黒な硬い種子が顔を見せた。この黒い種子は羽子板遊びの羽の玉にする。東京オリンピックの前までは、子どもたちの正月の遊びは、男の子なら独楽、凧揚げ。女の子なら羽根つき、手毬。これらが今も新年の特別の遊びという感覚があるのは何故だろう。揚がる、跳ねる、回るという生命力があらたまを寿(ことほ)ぐ遊びとしてピッタリだからではないだろうか。
さて、ムクロジ属の属名はSapindusで、"インド産の石鹸"。果皮にはサポニンを多く含んでいるから昔は石鹸の代用に使われた。ムクロジ科の植物は、熱帯に多く、インドでもこの仲間が石鹸として使われていたことからの命名なのだと思う。
自然観察会の講師:しばた けんいち さんが、小さなポリ袋に池の水を取り、ムクロジの実の皮を入れてシェイクすると、見事に泡立った。
ムクロジの実
果皮を水に入れると泡立つ"石鹸"に
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