里山の冬:冬の散歩道 A HAZY SHADE OF WINTER
まわりを見ろ Look around;
木の葉はもう褐色 Leaves are brown now,
そして空には And the sky
冬の影がさしている Is a hazy shade of winter
サイモンとガーファンクルの詠のように、冬は人生の挫折や淡い想い出を振り返らせる季節だ。冬は思索の季節である。
虫たちにとっての冬は、やがて訪れる春を待つ冬越しの季節だ。カマキリの卵は、泡で寒さや乾燥から守られて越冬する。じっと耐えて春を待つのだ。
雑木の枝に「虫こぶ」をつくるタマバチたちの中には、冬芽に卵を産むものがいる。冬芽が新葉に伸び出す頃、卵から孵化したタマバチ幼虫が出す分泌物の刺激で冬芽は異常発育をして虫こぶとなる。虫こぶは幼虫の隠れ家となり、また食物でもある。ナライガフシバチというタマバチは、冬芽に産卵するために、成虫で冬越しをする。新芽が展開し始めるまでに卵を産まなければならないから、このタマバチは冬に成虫の時期をもってきたのだ。じっと堪え忍ぶ、というよりは、居直って冬を生きているのだ。冬越しは、「虫様々」である。
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