里山の春:馬酔木
アセビは、万葉集にはアシビの名でうたわれており、また、奈良公園では鹿が食べない有毒植物としてもよく知られている。花どきの三月から五月、小さいつぼ形の白い花を枝の先にふさになって出た小枝につける。
アセビは、鹿に食べられないことに加え、アレロパシーといって、ほかの植物の種子の発芽をおさえる物質も出すので、奈良公園には「ささやきの小道」という馬酔木の老樹のトンネル道ができた、という訳で…、ロマンチックなこの道をかつて歩いたことを思い出しながら、久しぶりにファインダーに馬酔木を捉えてみた。
吾背子にわが恋ふらくは奥山の
馬酔木の花の今盛りなり <万葉集>
もどる |