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サムライ・イエロー:くも合戦 2006

 2年前、オーストラリアから加治木町に取材に訪れたナショナルジオグラフィックの撮影クルーが制作した1時間番組が昨年放映された。題名は、"サムライ・スパイダー"。うさぎ小屋に住む働き蜂の国:ジャパン。武士道精神に基づいて行われる伝統行事というコンセプトに、僕は1時間中、腹を抱え大笑いしながら番組を観た。素晴らしいエンターテイメント番組であった。今年は、NHKがBS-ハイビジョン番組にするという。大人たちが真剣になって入れ込む「くも合戦」は、かつては漁師の男たちの博打の要素もあったと僕は思っているのだが、この辺りをNHKがどう扱うか、興味あるところである。

 FIFAワールドカップ・サッカー日本代表の青いユニホームを、サムライ・ブルーと呼んでいるらしいが、加治木町の「くも合戦」に出場するコガネグモは、サムライ・イエローだ。この色は「くも合戦保存会」の法被の色でもあり、伝統を守り発展させてきた加治木の人たちの心意気の色だと思う。今年も、2,000名を超える観衆が集まった。

 ところで、鹿児島に80年ぶりに雪が積もったとのこと。大きいクモに育てるのに随分苦労したと皆さん言っていたが、それでも僕の持参した本州最南端・串本産は小さくて勝負にならなかった。今年も負けてしまったという訳である。

 会場には、戦前と終戦まもなくの「くも合戦」の写真展示や、昨年逝去された髭の名立行司、新福 貢さんを顕彰するコーナーもあり、「くも合戦」を誇りにされている加治木の人たちの心に触れた思いがして、胸に込上げて来る熱いものを感じた。

2,000名を超える観衆の熱気溢れる「くも合戦」会場
2,000名を超える観衆で熱気溢れる「2006年くも合戦」

戦前の「くも合戦」の写真01

戦前 菅原神社にて

戦前の「くも合戦」の写真02

戦前 菅原神社にて

終戦直後の「くも合戦」の写真 米兵も観戦に来た

終戦直後 米軍の大佐も観戦に来た

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