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自然絵本作家:松岡達英さん

 大阪市立自然史博物館を会場に、「大阪自然史フェスティバル2006」が開催され、関西を中心に活動している自然関連のサークル、地域の自然保護団体など、85の団体が展示や発表を行った。3月12日(日)、日本はもとより、世界各地の自然観察をもとに100冊あまりの絵本を出版されている松岡達英さんの「自然と友達になろう−見ることと描くこと」という講演会が催された。博物館の講堂はすでに満員。開始時間ぎりぎりに入場したので最後列であった。

 いづれも、小学生のときのことだが、先生に絵を褒めてもらったこと、A.R.ウォーレスの本とその木口木版の挿絵との出会い、北隆館の世界の蝶の図鑑のトリバネチョウに魅せられたことが、自然絵本作家としての現在をもたらした原点であるとのお話であった。電気関係の仕事に就くも、絵心は抑えきれず、月給2万円のときに、アルバイトで描いた北隆館の挿絵で10万円を超える金額になった、とも語っておられた。

 一時期、パプア・ニューギニアに居を構え、トリバネチョウの採集はもちろんのこと、自然観察と絵を描く生活を続けられた松岡さんは、50歳を向かえ生まれ育ったふるさと、新潟の里山にアトリエを建てた。越後川口の里山自然と人々との交流は、「野あそびずかん 」福音館書店(2003年)という絵本に見事に結実をしている。60歳を過ぎて被災された新潟県中越地震の体験談もあり、上手に地球に住み続けるという智慧を語られた2時間の講演会であった。

 あっという間であったが、楽しいひと時を松岡さんから頂けたことと、企画をされた自然史フェスティバル関係者の方々に感謝の気持ちで一杯だ。もちろん、「関西クモ研究会」も自然史フェスティバルに出展していたことも付け加えておきましょう。

絵を描きながら講演する松岡さん

子どもの頃の自然との出会い:カタクリの花・榎とオオムラサキ・ギフチョウとカンアオイを描く松岡さん

松岡さん愛用の絵の具と絵本の原画

愛用の絵の具など

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