
大阪バードフェスティバル2007
上田恵介さんの「鳥が作った自然界 鳥・虫・花の共進化」という講演を聴きに出かけた。
”自然界は、自然に作られたのでなく、生き物同士が作ったもの” ”鳥は紫外線を含めた4色色覚で世界を見ており、ヒトよりもっと色鮮やかに自然界を認識している”
”生き物の色は、鳥との共進化によってもたらされたもの” なるほど、そうなんだ。とっても面白かった。
例えば、赤い実は、鳥へのメッセージ。果肉を食べさせて種子を運んでもらう。黒い実は、ヒトには、地味な色だが、紫外線を反射してその存在を鳥にアピールし、種子散布をしてもらう。テントウムシは、不味いというシグナルを鳥に送っている。綺麗な実や美しい虫がいるのは、鳥がいたからなのだ。鳥同士でも、紫外線色覚が使われている。南米のビロウドテンシハチドリの喉は紫外線を反射しており、雌雄の見分けに使われている。薄汚い感じのヒヨドリも、頭部は紫外線を反射しているから、鳥の目には別の色彩で見えていることだろう。
ニューギニアのモリモズという鳥は、天敵の鳥に食われないよう、中米のヤドクガエルと同じ毒を皮膚に持っていて、「自分は毒鳥ですよ」と赤と黒の羽の色で天敵の鳥に警告をしているのだそうだ。この鳥の配色と良く似た鳥がいる。台湾のヒゴロモ、奄美大島のルリカケスなど。これらの鳥は、モリモズ擬態なのかもしれない。すなわち、虫に見られるベーツ型擬態と同じしくみが、鳥の世界にもあるかもしれない、とのことであった。
鳥の見方のコペルニクス的転換をさせられた講演であった。

大阪バードフェスティバルの看板

黒い実は、紫外線を反射してその存在を鳥にアピールしている。
講演をする上田恵介さん。

モリモズの仲間は、ヤドクガエルと同じ毒を持っている。

相互リンク頂いている「自然大好き!」の なかを さんも東京から出展。彼のブースで鳥インフルエンザ駆除の防護服を試着させてもらった。サウナスーツのようにとっても暑い!
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