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クモの暮らしの多様性 2020年2月

 今回、『民主三郷』から連載依頼を受けました。一般的にクモは「気持ち悪い」「毒がある」とのネガティブな印象を持たれがちです。昆虫を研究していれば聞かれることもないでしょうに、「なぜ、クモなんですか」と質問されます。私は、クモに成り代わり「クモは、糸を巧みに操るユニークな存在であり、虫を食べることで自然界での重要な役割を担っているから」と答えます。
 子どもの頃、家の横を流れる川で、「ちまき」のように丸められたヨシの葉を開いてみては、コマチグモ類の「卵のう」を「赤まんま、白まんま」と呼びました。クモは、たくさんの卵を糸で包みます。これを「卵のう」と呼び、成熟すると赤みを帯びます。その様子を赤飯や白飯になぞらえての遊びでした。大学生の時、野外研究の対象にクモを選んだのは、この体験があったからでしょう。
 人と自然の共生という視点から、"クモって いいやつなんだ"ということをお伝えできればと思います。

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