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宇宙で網を張る 2020年4月

 丸い網を見つけたら、クモの姿勢に注目してください。クモは、頭を下にして網に陣取っています。どうしてクモは逆立ち姿勢なのでしょう。クモが網を張る際、地球の重力により、網の下半分は広がってしまいます。つまり、網の下半分が大きく上半分は小さくなります。すると、面積の大きい下半分に虫がかかる率が高くなりますから、網にかかった虫めがけてスピードダッシュできるよう、クモはあらかじめ頭を下にしているのです。
 1973年、アポロ宇宙船内で2頭のニワオニグモは丸い網を張りました。無重力の世界ですから、完璧な円でした。現在までに、宇宙に行ったクモは16頭で、日本人は12人です。クモは、日本人よりたくさん宇宙に行き、与えられたミッションをこなしているのです。
 ところで、ギンメッキゴミグモは頭を上にして網に陣取ります。面白いことに、ギンメッキゴミグモの網は上半分の方が大きいのです。網を見つけたら、クモの姿勢に注目してください。 

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