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クモの半数は網を張らない 2020年8月

 クモといえば網。しかし、約半数のクモは、網を張らず歩きまわって獲物を捕らえるタイプであるというと、多くの人は驚くのではないでしょうか。
 地表を歩くクモに、コモリグモがいます。母グモが卵のうを糸いぼに付けて持ち歩き、卵からでた子グモは、しばらくの間、母グモの背中に乗ってすごすことから、コモリグモの名がつけられました。
 花や葉の上に多いのは、カニに似ているカニグモ科の仲間です。ハナグモは、前4本の長く太い脚を広げて獲物を待ちます。
 ハエトリグモは、獲物に狙いをつけ、ジャンプして捕らえます。8個の眼のうち、獲物をじっと見るのは、前にある2つの大きな眼で、とても良く見えます。獲物の動きを追うのは、頭の上や横にある眼です。
 これらのクモも糸を出すことはできます。クモの暮らしと糸は切っても切れないのです。

卵のうを持ち歩くハリゲコモリグモ(メス) 

チョウを捕えたハナグモ(メス)

つぶらな瞳のネコハエトリ(オス)

[林 俊夫(2011); 斎藤慎一郎(2015)]


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