ホームへ

連携プレーで害虫退治 2020年10月

 斑点米という質の悪い米をもたらす斑点米カメムシ類の被害が増えています。このカメムシの天敵として、アシナガグモ属のクモとコモリグモ科のクモが重要な役割を果たしていることが分かってきました。
 斑点米カメムシは、稲の穂をめざして水田に来るので、水面上にいるコモリグモに食べられることは滅多にありません。ところが、網を張るアシナガグモの多い水田では、なぜか地表にいるコモリグモが、より多くのカメムシを食べているのです。コモリグモの胃の中にカメムシのDNAが有るかどうかを調べるとカメムシが食べられたかどうかが判ります。
 水田にアシナガグモが増えると、その網にカメムシがひっかかって水面に落ち、水面で待ち構えるコモリグモに食べられやすくなるのです。連携プレーには、多様なクモがいることが大事です。クモによって、斑点米カメムシ防除のためネオニコチノイド系農薬が大量に使われている現状を変えられるかもしれません。

アシナガグモ属の密度とキバラコモリグモによるアカスジカスミカメの捕食率の関係 [Takada et al. (2013)を改変]

もどる

ホームエッセイ里山の四季くものページくもの図鑑くものあみ研究のページ英語版リンク集沿革とプロフィール