クモがいなかったらチョウやガは現れなかった 2021年1月
クモの糸は化石になりにくいのですが、3億8000万年前の糸いぼの化石が見つかっています。
数億年前、クモは地中にひそんで、近くを通りかかる昆虫を待ちぶせして捕らえていました。そのうち昆虫の歩きかたが速くなり、捕まらなくなったので、クモは地上に出て、走りまわって昆虫を追いかけるようになりました。ところが、あるとき、捕まえようとした昆虫に翅があって、空に飛んでいってしまったのです。そこでクモは、自分が道しるべのために引いている糸を使って、空中に網を張るように進化しました。すると、チョウやガは、翅を鱗粉で被うことで、クモの網にくっつかないように進化しました。このように、クモと昆虫の、追いつ追われつの関係が互いの進化をもたらしたのであろうと考えられています。
クモがいなかったらチョウやガは地球上に現れなかったのです。チョウをモチーフとした芸術作品もまたしかりです。
九州と南西諸島に生息する「生きた化石」のキムラグモは数億年前の姿と生態をとどめている
[八木沼健夫(1969)]
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