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網を張るにはコストがかかる 2021年2月

 網の糸はタンパク質でできていますから、網を張れば、その分、自身の成長や卵をつくることに回せる栄養が削られます。クモは歩いた後に糸を残していくことで網を張ります。種によっては、糸の総延長は数十mにも及びます。それだけの距離をクモは歩いているわけですから、網を張るときの運動量はとても大きいのです。このように、網を張るにはコストがかかります。ですからクモは、エサから得られる収益がコストを上回ると期待できる場所を選ぶ必要があるでしょう。クモは、エサが獲れないと網を引っ越し、獲れると同じ場所を使い続けることが報告されています。
 クモの引っ越し先にエサが多いか少ないかは網を張ってみないとわかりません。クモは、引っ越ししたときは、通常よりも小さく糸量の少ない網を張るとされています。これは、運悪くエサがいなかったときの赤字を小さくする効果があるからと考えられています。

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