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くも合戦 2021年8月

 
 鹿児島県姶良市加治木町では、町をあげての「くも合戦」が6月第三日曜日に行われています。これは、コガネグモどうしを横棒の上で闘わせる昔からの遊びです。終戦後、進駐軍の将校が観戦する写真も残されており、400年以上途絶えることなく続いてきたといわれています。かみしも姿の行司がクモの闘いをさばき勝敗を決めます。私は20年程前から毎年、奈良や和歌山のコガネグモを携え、伊丹空港から加治木入りし参戦していますが、昨年と今年は、新型コロナ禍により中止となりました。「合戦の部」で3連勝すると「王将戦の部」に出場できますが、私はまだ2連勝すらできません。熟達の人たちには、それぞれ内緒の場所があり、採ってきたクモを手塩にかけて育てます。強いクモに育てるノウハウもあるようです。
 クモどうしを横棒の上で闘わせる子どもたちの遊びは、かつて日本各地で行われていました。また、フィリピンでは、同様の遊びが日常的に現在も行われています。黒潮の流れに沿って、「くも合戦の文化」がフィリピンと日本の間で伝わったのかもしれません。

くも合戦の画像 [加治木町くも合戦保存会の案内状を改変]

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