里山の初夏:ウラシマソウ
天南星(てんなんしょう)は中国の言葉で、赤く熟した果実は美しい。このテンナンショウ属の植物は、葉による同化量や、地下につくる球茎の大きさによって、性を転換させるのだ、という。
筒型の仏炎苞(ぶつえんほう)の穂先が長く伸びているウラシマソウは、浦島太郎が持っていた釣り糸に見立てて名づけられた。学名も、Arisaema
urashima だ。薄暗くて少し湿った林床のこの多年草は、稀なものではないけれど、名前と姿と、そして有毒ということが相まって、思わず目を留めてしまう植物である。
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