ウロコアシナガグモの紫外線写真

An ultraviolet image of Tetragnatha squamata

I performed exposures in the ultraviolet range of 360 nm. The abdomen of the spider, Tetragnatha squamata, reflects the UV light, so we see a vertical line on its abdomen.
Perhaps, it is to attract insects.

　ウロコアシナガグモの紫外線撮影を試みた。腹部背面中央に紫外線を反射する1本の縦すじが見える。画像は、コントラストを得るためにRGB→BRGと色交換し、次いでグレイスケール化した（福原 達人,2007）。ウロコアシナガグモは、円網を張るが、網を張らずに枝上で近づいて来る昆虫を捕らえることもある（新海栄一, 2006）ことから、ウロコアシナガグモは餌昆虫を誘き寄せるために紫外線を反射するのかもしれない。

　ほとんど同じ白色に見えるモンシロチョウは、オスよりメスのほうが紫外線を良く反射し、オスがメスを見つけるサインになっているのではないか、というのは有名な話である。また、2007年のサイエンス誌には、ハエトリグモの一種のオスとメスが紫外線と蛍光を利用して互いに相手を認識していることが報告された（Matthew et al. , 2007）。さらには、かくれ帯の役割と紫外線反射の関係は、興味をひく話題である。著者は、クモの紫外線撮影に興味を持ち、今回初めて試みた。

　使用機材について：旧製品のデジカメほど紫外線に良く感光する。CCD素子の一眼レフデジタルカメラ・ニコンD70とUVニッコール105 mm f4.5 を使用。工業用紫外線透過可視光遮蔽フィルターUL-360（東大阪のOMG株式会社）と乾電池式ブラックライトPRO-5（横須賀の川島工機株式会社）を使用して撮影した。

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