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蜘蛛きっげ:くも合戦 2004 その3

 クモを求めて紀伊半島を南へ、もっともっと南へと頑張った今年。蜘蛛きっげとなった私だったが、残念ながら念願の一勝は叶わなかった!対戦相手は、一昨年優勝・昨年準優勝の谷口信彦さん。彼のクモはリーチが長くて大きい。最初に出した『くろしお』号は、4月11日採集・6月13日に合戦練習をさせたクモだが、練習させた夜に一回目の産卵をした。子どもを産んだとたんにお腹が小さくなってしまった。「くも合戦」当日まであと一週間。『くろしお』号を丁度いい状態に持っていくのは難しい。うーむ、「くも合戦」は奥が深いのだ。でも、産卵したクモは強いらしい。期待をかけることにした。

合戦の練習自宅で合戦の訓練をした訓練中のくろしお(手前)とオーシャンアロー号
訓練中の『くろしお』(手前)と『オーシャンアロー』号

 「見ごたえのある勝負でしたネ!」私に観衆から声がかかった。『くろしお』号は、闘志満々。谷口相手に長時間の戦いとなった。最後は、糸を切られてしまったが素晴らしい善戦であった。3戦目の『オーシャンアロー』も果敢に戦った。「今年のあなたのクモは大きいネ。あの人が相手ではしょうがないですよ。」昨年知り合った宮崎の松田伊織・リツ子さんご夫婦から声をかけられた。リツ子さんのクモが3勝グモになったと聞いて、私は思わず握手をした。

 さて、鹿児島に大型で非常に強い台風が近づいている。取材に訪れたオーストラリアのクルーのインタヴューに流暢な英語で応えている八幡さんを横目に、月曜日の仕事に穴をあけられぬ私は早々と会場を後にしたのだが、熊本で子どもたちと「くも合戦」をやっているという藤本宏さん、「くも合戦」は黒潮文化で町人の文化であったのだ、と熱弁を振るう63歳の元中学教師、「くも合戦」初参加でこの春知り合った大阪の小学3年生 いけだゆうすけ君、さらには落語家の桂あやめ さんとツーショットの写真を撮る・・・(別嬪のあやめ さんの横で私はにやけているのだが、ネット上に顔を出さない主義のなで画像のアップは無し)、と沢山の人々との出逢いがあった。かくして蜘蛛きっげとなった私は、来年も参加するぞ、そして来年こそは…、の闘志を内に秘めるのであった。


会場の写真01 譜面台に100円ショップで購入した青色の魚篭(びく)4つを吊るした私のコーナー。
 紀伊半島・本州最南端の地より・・・『近畿代表』、という看板を出したので、いろいろな人が覗きに来てくれた。
背中にクモが描かれた黒いTシャツの人物は、東京の八幡さん。彼のコーナーは、私のコーナーの向こう側。彼の所は、飼育ケースに入れたタランチュラ、クモを題材にしたピアノ曲の楽譜、クモのブローチにライターなどのクモグッズが一杯。コガネグモも千葉産の他に地元鹿児島産も・・・。今年は、お嬢ちゃんも子どもの部に参戦をした。

会場の写真02 くも合戦保存会の法被を着たオーストラリアからの取材クルー。

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