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フィリピンの旅/バナウェ

 サガダからボントック経由でバナウェへ。チャーターしたワゴン車で4時間程でバナウェに着いた。バナウェの市場近くの店で昼食の後、しばしホテルで休憩。雷雨が激しい。外に出られぬこともこれ幸いと、私はバギオで手に入れた10匹以上のクモの写真を撮り、標本作りに時間を費やした。さて、バナウェの見どころは、何と言っても世界遺産の棚田である。ジプニーに乗ってビューポイント、バナウェ民族村などを巡った。ここの宿、バナウェ・ホテルの部屋から見る霧に煙る棚田の景色も素晴らしいものであった。
 翌日は、トライシクルに乗ってバンガアン村の棚田を訪れた。バナウェ・ホテルから往復約3時間。フィリピンでは、4月と5月が子どもたちの夏休み、この日はちょうど3月31日でバンガアン小学校の卒業式であった。日本とは違って、屋外でギターとオルガン伴奏で歌を歌っていた。伝統的なイフガオ家屋の住民は、この卒業式にみな出払っていて、ニワトリと犬(どこの村でもよく見かけた)しかいない。一人集落に残っていた土産物屋を営む女性に家屋内を見せていただいた。貧しくも平和な暮らしぶりがうかがえた。多くの棚田の中でも、このバンガアン村の棚田が最も印象に残っている。言葉ではいい表せない美しさ、とはこのことだろうと…。

 この日は、夕方6時発の夜行バスでマニラに向かったが、冷房の効きすぎたバス車内での寒さとの戦いの10時間であった。マニラのホテル着は、朝の4時。マニラでは、カレッサという馬車も経験し、今回のルソン島北部の旅を締めくくった。

イフガオ族の女性バンガアン村の棚田イフガオの伝統的家屋バンガアン小学校の卒業式トライシクル木製バイク

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